新NISAに合わせて投資家活動を開始していくにあたり
「どの銘柄買えばいいんだ!?」
と昨年末から現在に至るまで続く懊悩についてアウトプットしていきたいと思います。
今回からいよいよ積立NISA枠で購入する投資信託について、決めた経緯をアウトプットしたいと思います。
・とりあえず長期リターンを重視してみる。
ここは取り繕ってもしょうがないので、恥も外聞もかなぐり捨てて私は宣言します。
たくさんお金が欲しい!
投資をする以上、どうあがいてもその目標は資産形成およびその拡大です。
頑張って貯金100万円。
実家に出戻りしたとはいえ手取り10万では将来は不安しかありません。
生活に困っているわけではありませんが、将来的にはもう少し生活水準は上げたいです。
この不安を解消するには大金を手に入れることです。
入金力は乏しいですがまだ30代前半。
時間を武器にできれば多少のリスクは飲み込めるはず。
ハイリスク・ハイリターン運用を目指すなら個別株、それも将来的な成長が見込めるような銘柄が望ましいです。
しかし、そういう優良銘柄の株式は当然高額ですし、そもそもピンポイントでそういった銘柄が判別できるなら苦労しません。
そうなると……答えは一つですね。
・欲望全開のFANG+
というわけでまとめの時は微妙だと結論付けましたが、圧巻のパフォーマンスであるFANG+インデックスを購入する事に決めたのが当初のプランです。
当初、というのは後々このプランを実行するのは自分には無理だったと判明したからですがが、それはまた後程。
とにかく、FANG+を運用する方針を決め、実際に購入するにあたりその商品をレビューします。
・ファンド選定
2023年12月当時、FANG+関連指数を取り扱っているのは下記1社の2ブランドのみです。
・『大和アセットマネジメント』の『iFreeNEXT FANG+インデックス』および『iFreeレバレッジ FANG+』
必然的にこの2ファンドから選択する事になります。
この内、つみたてNISA対象は『iFreeNEXT FANG+インデックス』のみなので、実質一択ですね。
それはそうとして『レバレッジ』とはなんぞや?
・レバレッジ
レバレッジとはテコの事で、小さな力で大きなものを動かす為のギミックを指します。
日本で言うところの信用取引で、これは株取引等で元本の3倍程の金額を貸し出すサービスの事。
要は30万円が証券口座があれば90万円分の取引ができるので、デイトレードで得られるリターンや損失が3倍になりますよ、ということ。(なお、取引ごとに手数料が取られる模様)
つまるところ借金ですね。
借金というとおっかないですが……投資信託でレバレッジ?
ファンド側が私達から集めたお金を元本にして運用する、という事でしょうか?
・『iFreeレバレッジ FANG+』
このファンドはFANG+指数の2倍の値動きになるよう運用する、とのこと。
どういう仕組みかというと、株式の現物だけではなく債券とは先物取引などを利用するとのこと。
うん。わからん!
債券や先物取引については何となくは理解してますが、どのようにこれらのギミックを利用して実現するかは見当がつきません。
ただ、本当に世間一般で言うところのレバレッジ(信用)取引ではなく、どうやら再現だけをしたものらしいです。
実際に元手以上の金額で動かしているわけではないので、このファンドに投資したからと言って私達が借金をしたりする訳ではないようです。
とにかく2倍の値動きをするので、暴落局面では恐ろしい勢いで値下がりしますが、その反面FANG+指数が上昇する前提ならその2倍のリターンをもたらします。
つまり、ハイリスクハイリターンを運用を前提にするなら……。
・それぞれのリターン
直近一年のリターンを見ると、
『iFreeNEXT FANG+インデックス』……+100%
『iFreeレバレッジ FANG+』……+180%
……え、ほぼ、2倍と3倍?
つまり、50万を投資すればそれぞれ一年後には100万と150万になっている?
こ、これは買うしかない!
・2023年11月末の相場状況
この時、全体的な米国市場の動きとしては、やや減速しつつあったものの、年末クリスマスラリーに向けて上昇相場になりつつありました。
もちろんFANG+指数も上昇を始めていました。
新NISA開始までは1か月あります。
ならばお試しにと、私は貯金の半分にあたる40万を『iFreeレバレッジ FANG+』に突っ込むことにしました。
生活防衛資金用に50万は残している為、仮に大損しても勉強代としてある程度の損失は織り込み済みです。
そして、新NISAを始める前まで待つのは機会損失になりますので、いっそのこと特定口座で運用してみることにしました。
・リターンの最大化
株式運用においてリターンを最大化するにはいくつかポイントがある事を、私はリサーチ情報から得ていました。
それは『一括投資』で『資金を可能な限り市場に晒し続ける』ということです。
過去のデータより、株式市場はその時々によって暴落を経験していますが。数年後には値を戻し、最終的には右肩上がりとなっています。
ゆえに
『資金は迅速かつ最大限に市場に投入し、相場に晒し続ける』
これが最も合理的なリターン最大化の鉄則です。
これを私は実行しました。
(……そういえば、投資信託の約定って結構遅いんだな?)
・一か月後
ぐわあああああああああああああテスラてめええええええええええええ!?
ハイテク銘柄関連のニュースをアプリでウォッチしていましたが、FANG+のしかもそのレバレッジの暴力的な値動きに私は振り回されていました。
(大体変な事やってるテスラCEOイーロンマスク氏のせい)
想像していたより上がっていかない。
ちょっとガクッと下がったと思ったら、ドンっと急に上がる。
一日で1000円前後の値動きは当たり前。
じゃじゃ馬どころの話ではない、どこぞの絶叫コースタを彷彿とされる乱高下に永遠と振り回される。
結局、12/24に売却を約定し、私は初めてのお試し投資信託を終えました。
含み益6%、約2万4000を利確しました。
し、しんどかった……。
・方針の修正
FANG+はダメだ。
投資した結果、たしかに私は短期間で月収の20%にあたるリターンを得ることに成功しました。
が、想像していた以上にメンタル負担がヤバい。
・メンタル負担の内訳
私はリサーチにて『ハイリスクなインデックスはメンタル負担がヤバい』という情報は得ていました。
この情報に対して私は『一気に資産が下がったり上がったりするとしんどいのかな?』という解釈をしておりました。
しかし、実際はそれだけではありませんでした。
・分散数の少なさ
10社もあれば十分であろう。
そう思っていた時期が私にもありました。(´・ω・`)
たしかに基本的に米国ハイテク銘柄は高パフォーマンスを出してくれます。
が、分散数が少ないと1社でも微妙な動きをしていると、その1社の動向が大きくチャートが反映されます。
つまるところ、不安ではなく不満が大きくなるのです。
・均等加重型のデメリット
この1社の動向が大きくなるのは分散数だけのせいではなく、均等加重型の構成ルールも大きく影響しています。
オルカンやS&P500のような時価総額加重平均なら、大企業の安定性を反映しつつ、規模が比較的小さい企業の成長性も拾えます。
しかし、FANG+の均等加重型の場合、比較的規模の小さい企業も強引に横並びにして運用する為、規模の小さい企業の不安定さも大きく反映されます。
要するにこの計算式は”問題児の動きがやたらと強調される設計”なのです。
・リスクとリターンの関係
なんでこんな設計の計算式を採用しているのかというと、意図的にボラティリティを大きくするためです。
ボラティリティというのは簡単に言うと価格の変動量の事で、ボラティリティが大きいと値動きが激しくなる=リスクが大きくなるという事です。
どうしてわざわざリスクが大きくするかというと、前述したように投資においてはリスクに比例してリターンが大きくなる傾向があるからです。
現金、私達で言うなら日本円という資産は極端なインフレやデフレを除けばその価値は増えも減りもしません。
何故なら価値が安定している=ほぼノーリスクの資産だからです。
極端に言えば、資産が倍になる確率が50%あるなら、資産が半分になる可能性も50%ある、ということです。
つまり、FANG+の圧倒的なパフォーマンスは意図的にハイリスクを追求した結果のものという事になります。
・割高な維持コスト(信託報酬)
保有している間少しでも安心感を得ようと、改めてファンドのカタログやスコアを確認します。
この時は一年間で3倍になったという驚異的なリターンスコアのみが心の支えでした。
しかし、販売ページのリターン以外の、とある数値が気になります。
信託報酬です。
iFreeレバレッジ FANG+の信託報酬⇒1.275%
(……リターンさえ出ればコストはペイできるからあんまり気にしてなかったけど、それにしたって高くない???)
この時、私はすでに弱気でした。
頭の中ではバイ&ホールドが最適解だと理解していましたが、既に売却する理由を探していました。
実際、レバレッジ版に限らずFANG+系の信託報酬は割高です。
有名どころを並べると
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.11%
eMAXISSlim先進国株式インデックス 0.09889%
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.10%
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) 0.143%
楽天・日経225インデックス・ファンド 0.132%
楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド 0.198%
iFreeNEXTFANG+インデックス 0.7755%
……改めて並べてみると思ってたより高っ!?
通常版がオルカンの7倍、かなりハイリスクなNASDAQ100の3倍以上のコスト。
レバレッジ版に至っては10倍差と6倍差です。
購入前の素人考えでは1%前後の数字ならどれも大差ないと考えていましたが、
いざ保有して含み損を抱えてみると、この割高な信託報酬が気に障ってしょうがない。
何故かと言えば含み損で自分がストレスを受けている間もファンド側は着実にこの利益を得ているからです。
割に合わない。
あくまで私の感想としては、この一言に尽きました。
・反省点
前述したようにFANG+に文句タラタラの私ですが、結果としてリターンを出している以上FANG+指数自体に落ち度はまったくありません。
割高に見える信託報酬に関しても、ちゃんと事前に提示されていました。
問題なのは
欲に目がくらんでその銘柄保有を選択をした私自身
でしょう。
そもそもの話として、投資初心者の私が全財産の半分をいきなり投資するというのは、明らかにリスクを負い過ぎています。
強いストレスを受けたのはシンプルに私自身の迂闊なファンド選定と資金投入量の判断ミスです。
・改めて信託報酬について考えてみる
「……そういえば、そもそもこの信託報酬が適切なものかどうかも知らないな?」
軽く調べた限りではFANG+指数を取り扱っているのは大和アセットマネジメントだけです。
その為比較対象が居なかったので全く疑問に思っていませんでしたが、そもそもこの指数の信託報酬の相場を私は全く把握していません。
先ほどはオルカン等と並べて比較しましたが、違う指数を同じ基準で考えるのは例えてみれば犬とゾウを比べてゾウの食費が多いと文句を言うようなものです。
他にFANG+指数を取り扱っているファンドはないのか?
改めて調べてみたところ、国内にFANG+を扱っているファンドはありませんでたが、オーストラリア市場にてFANG+指数を採用しているETFがありました。
・ETF
ETFとは上場投資信託の事です。
これは投資信託ファンドが直接NASDAQや東証などの証券取引所に上場し、一般的な上場企業と同じように株式を発行しているものです。
より簡単にまとめると、違いは口数ではなく株数で取引する事と、信託報酬の呼び名が経費率に変わっているだけで基本的には通常の投資信託と同じです。
つまり、同じインデックス指数を取り扱ってるなら維持コストである信託報酬と経費率はそれほど変わらないはずです。
そして、FANG+ETFの経費率は下記になります。
Global X FANG+ ETF 経費率 0.35%
はい、アウトー!
・やってんなあ大和アセットマネジメント!
いや、いくら何でも信託報酬設定2倍強はぼったくり過ぎません???
軽く調べたところ、米国上場のメジャーなETFの経費率は軒並み0.1%未満。
ハイリスクでマニアックな割高なインデックス指数ETFでもせいぜい0.4%程。
日本から米国株を買い付けるのに為替その他諸々の処理をする手間賃を考慮したとしても、実質コストが0.5%を超えた場合、基本的にはファンドを通すより自分で直接買い付けた方が明らかにお得です。
自分で米国株を直接買い付ける、と聞くとハードルを高く感じますが基本的にネット証券では国内株と全く変わらない感覚で買い付けが行えます。
本当に簡単です。
この情報から考えるに、基本的に信託報酬1%前後の国内インデックスファンドに関してはぼったくりか何か余計な事をしていると疑って吟味した方が良いと思われます。
(人力のプロアクティブファンドに関しては論外なので割愛)
・FANG+はぼったくりか?
と、ここまで鬼の首を取ったように騒ぎ立てたわけですが、
iFreeNEXTFANG+インデックスおよびレバレッジ版に関してはグレー判定です。
何故かというと国内に競合インデックスファンドがいないからです。
レバレッジ版の信託報酬は1%超ですが、このレバレッジ版を再現するのが相当手間らしく、他のインデックス指数のレバレッジ版も、通常版に比べるとかなり高い信託報酬設定されていました。
大和アセットマネジメントはこの珍しい指数をいち早く導入し、運用を続けて結果を出してきた実績があります。
この優秀な指数をいち早く日本に持ち込んで浸透させた慧眼は素晴らしく、
その対価としてこの独占殿様商売状態を獲得しています。
文句をつけようがないのです。
・とはいえ……
FANG+はともかくとして、個人的に大和アセットマネジメントさんに関しては少し悪印象がつきました。
確認したところ、大和アセットマネジメントさんのファンド銘柄は基本的に割高な信託報酬設定がなされている一方、商品開発の着眼点はとても良いものをたくさん出してくれているといった様子。
しかし、興味深くもなりましたが今回の件で私は学びました。
・インデックス指数はリターンだけで選んではならない
・選ぶべきは自分の身の丈にあったリスクをもつもの
・そしてできるだけ安い信託報酬価格を買う事。
この3点で見た場合、このあたりが改善されない限り。私は大和アセットマネジメントさんのファンドを利用する事はないと思います。
というわけで、次回はファンド設定編2で、主に経費率のリサーチを行っていきたいと思います。
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