インデックス投資一本槍に潜む罠/コアサテライト運用について

 新NISAに合わせて投資家活動を開始していくにあたり


「どの銘柄買えばいいんだ!?」


と昨年末から現在に至るまで続く懊悩についてアウトプットしていきたいと思います。


今回は、これまでの反省を踏まえて、ポートフォリオを作成していきます。


・ポートフォリオとは?

一言で表すなら『資産配分』です。

より具体的な表現なら「何に投資するか?」です。

一般的にポートフォリオを組む場合『アセット』という概念を用います。


・アセットとは?

一言で表すのであれば『資産の種類』です。

現金、株式、債券、純金、不動産、暗号資産……。

個人が所有可能な換金できる財産ですね。

ポートフォリオとは、こういったアセットの比率を決める、作戦のようなものです。


・株式ポートフォリオ

とはいえ、私の投資先は今のところ株式のみの予定なので、せいぜい現金と株式をどのくらい持つかを決めるくらいです。

ただ、私は独身で身軽な上、実家住まいで特に大金を使う予定もありません。

一定の現金を生活防衛資金として残し、後は全て投資する方針なのでアセットの比率を決める必要はありません。

……が、株式の場合、どこの企業に投資するかで資産成長率に大きな影響を与えます。

つまるところ資産全体ではなく、株式のポートフォリオを決める必要があるという事です。


・ポートフォリオを決める必要性について

そんな面倒くさい事をせずオルカンで良いのでは?

私の行動に対し、こういう疑問が浮かぶ人がいるでしょう。

この疑問に対する私の回答は下記になります。


はい。その通りです。


オルカンのベンチマークであるMSCI:ACWIは、

長期投資向きのインデックス指数としてほぼ完成されています。

投資先の分散数が多さというシンプルな手段でリスクが軽減されている為、

低コストが実現されています。

その分リスクプレミアムも減りリターンも少なくなるわけですが、

逆に言えば参入タイミングを図る必要もないです。

実に初心者向きで、大人しくそれを運用するのが効率的で堅実です。


にもかかわらず、

あえて株式ポートフォリオを組み、

個別株投資を考えるのは当然理由があります。


それは二つの不満です。


・インデックス投資はローコストであって、ノーコストではない。

投資における原則はリスクプレミアムです。

投資リスク=資産価値の変動の大きさという精神的負担を受ける事が投資家の役目です。

理屈上、強いストレスに耐えれば耐えるほど報酬が多くなります。

しかし、基本的にファンド側がそのリスクを負担する事はありません

そういう意味で、

リターン追求目的でのハイリスク運用を高コストで提供するファンドは”ぼったくり”以外の何者でもありません

(※注:あくまで長期投資家目線として考えた場合の意見です)

故に私は、維持費がノーコストである株式現物の保有を目指し、

可能な限り資産運用のローコスト化の追求をしていきたいと考えています。


・出口の分散戦略

ACWI指数など、特定の指数に連動した商品を一つに絞っていると、どうしても避けられないリスクがあります。

それは売却したいタイミングと売却できるタイミングが必ずしも一致するとは限らないという事です。

例えば私が病気で治療費が必要になった際、

世界全体の相場が好調であれば良いですが、

逆に不況で売却しなければならない場合は資産に大きなダメージが入ってしまう

事を意味します。

特に、投資信託は売却注文→売却約定まで若干のタイムラグが発生します。つまり……


→まとまったお金が必要になった時に売却注文

→世界的な大暴落発生!

→-30%程になって約定!


こうなった場合、私はメンタルを保てる自信が無いです。

なので、ある程度セクターを絞ったETFを複数運用するなり個別株を保有するなりして、

あえて資産にバラつきを持たせるようにするのが、

最も合理的な資産運用だと思います。


お金は使ってなんぼ。


使いたい時に気前よく使えないのが、一番残念な事だと考えます。


・目標はお金持ちになる事ではなく気持ちに余裕のある人

ぶっちゃけこのポートフォリオ方針は資産拡大という観点では非効率です。

資金効率的に考えると、無駄に現金化してロスを発生させている事になります。

ただ、この方針の良いところは

『日々の株価変動を気にする必要性が薄くなる』

というところです。

要するに『資金効率のダウン』という形で実質的なリスクヘッジ費用を支払っている

という考え方です。


『ハイリスク×先物取引によるリスクヘッジ』のような、

割高な維持費が必要なファンドを利用するよりよっぽどコスパが良いと考えています。


・つみたてNISAは投資信託オルカン

とはいえ、NISAの非課税枠をフル活用する事を考えた場合、

最低でも600万円分は投資信託を使う必要があります。

(正直そこまで到達できるのかは分からないのですが……)


ファンド運用の特徴の一つとしては

・各企業から出された配当金を一度全て丸呑みする

事です。

分配金が無い場合は日々の生活への還元は全くしてくれないのは前述した通りですが、

逆に言えばファンド運用はインカムの貯蓄方法としてはほぼ最高効率です

つまり、資産形成における最も合理的なファンド選定基準優先度としては、

下記という事になります。


可能な限り低コストでのリスクヘッジ>インカムの安定性≧再投資先企業の成長性


超長期運用で元本割れの確立を減らす事を考えた場合、

上記のルールでどれだけ長期間市場に資金を晒せるかがカギになります。

そうなると、長期間の投資先としてはここ数年において好調なS&P500より”リターンが抑えられている”オルカンを選択する事が合理的となります。

なので積み立てNISAの採用銘柄はオルカン一本で良いという結論になります。


・投信オルカンへの入金は少額で良い

ただし、出口戦略やNISA仕様の都合で考えた場合、

”つみたてNISA枠売却は最終手段とし、保有したまま自分が亡くなる”

つもりで運用した方が最もリターンを享受できる事になります。


つまり、この枠に対する投資はあくまで『もしトラに対する保険』という役割になります。

なので、投信オルカンの目標投資額は数十年スパンで最低ラインである600万を目指すだけ十分という事になります。


・目標はBuy&Holdの徹底

長期投資を行う上で多角的なローコスト化を目指す場合

資産管理の維持費の最小化

株式取引に対する思考は買付前に全て済ませる

売却アクションの発生リスクをできるだけ抑える

上記のルール遵守が求められます。

つまり、

資産を売却しなくても人生が豊かになれるように投資する

これが私の理想であり、現時点における基本戦略であるBuy&Holdとなります。


それを踏まえた上で『NISA×ファンド運用』の相性の良さを考えた場合。

成長投資枠の上限1200万には同じファンド運用でも、

分配金を出しつつ経費率も控えめなETF運用が自分にとっての合理的選択だと考えます。


・コアサテライト運用

ここまでの話をまとめると、

私の株式ポートフォリオの思想はありふれたコアサテライト運用となります。


・コア:つみたて投資枠の投信オルカンで株式アセットとして最低限のリスクを負う

・サテライト:インカム安定性/経費率の改善を目指してETF/個別株保有を買付けする


大雑把な方針としては↑になります。


この方針を元に、次回から実際に投資を行う、または今後投資したい銘柄をまとめていきたいと思います。

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